欲しがりな幼なじみ
そこにいたのは先輩と思わしき男子生徒だった。
ゆるく制服を着崩して、ピアスも空いていて、軽くセットした髪に、にっこりと笑う顔に、
あぁ、いわゆるチャラ男だ、とわたしは頭の中で理解した。
「いやー噂通りやっぱり可愛いね。思わず声かけちゃった」
「はぁ……どうも」
「せっかくだから連絡先交換しようよ。結佳ちゃんと仲良くなりたいなー」
ニコニコとスマホをわたしに向ける先輩。
なんか、手慣れてるというか……。
「どうするの?」と横で小さく聞く志保に、うーんと考える。
……まぁ、断る理由もない、よね?
「いいですけど、わたし先輩の名前知らないですよ」
「あーえっとね、俺、柳田。下の名前は史哉(フミヤ)ね」