欲しがりな幼なじみ
噂を世菜に聞かせて反応を見たり、
『佐々木がそんな顔する必要はないんじゃない?』
佐々木の背中をあえて押したり、
こうやって、
「やっぱり、やめなよ」
他の奴の所へ行こうとするのを、止めたり。
世菜を応援することも、神田の所に行かせようとすることも、
「……俺に、言えばいいじゃん」
「え?」
大人しく身を引くことも、
俺にはできない。
「神田じゃなくて、俺に言えばいいのに」
もう、しょうがないでしょ。
「好きって言ってよ、世菜」
俺は、大人じゃない。