欲しがりな幼なじみ
『まだ気持ち悪い?』
あの日、授業中に倒れてしまった日。
なぜか由良くんの差し出された手を、素直に受け入れることが出来た。
人に頼るのが少し苦手で、何でも自分1人でどうにかしようとする私だったから、
そんなこと生まれて初めてで。
どうして由良くんに頼ることが出来たんだろう。
そう考えていく内に、気づけば由良くんのことを目で追っている自分がいた。
「また、誰にも言わないで何か抱えてんの?」
放課後の教室、由良くんの隣の席。
日誌を書きながらそう言った由良くんに、私は目を見開いた。
「なんで」と聞くと、「今日一日、ずっと不安そうな顔をしてたから」と返ってくる。