欲しがりな幼なじみ


そう言いながら、史哉先輩はまたにっこりとわたしに向かって笑う。



「じゃ、これからよろしくね結佳ちゃん」



そして手をあげて、そのまま行ってしまった史哉先輩と、スマホの画面に表示されている彼の名前を見た。



「やったじゃん、結佳。新しい男ゲット!しかもイケメンの先輩!」

「いや、わたしあの先輩のこと何にも知らないけどね……」



史哉先輩、わたしのことどこで知ったんだろう?
一応1個下なのに。

ていうか"噂通り"ってなに。

知らないうちに、わたし噂になってるの?




「……こわっ」




知らない人たちに自分のことをあれこれ言われているところを想像して、ブルっと身震いをする。

それから、着いた教室の扉を開けようとした時、また声がかかった。

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