欲しがりな幼なじみ
髪の毛をクシャッと乱す由良くんに首を傾げた。
え、なに、どういうこと?
「はぁー。お前、ほんっとに昔から危機感なさすぎ」
「なっ、急になんなのっ?」
「アイツ、3年の柳田だろ。女遊び激しいチャラ男。お前ちゃんと知ってたのかよ」
イライラしているのか早口でそう言う由良くん。
「連絡先交換したって……お前、大丈夫なの」
「なぁ?」なんて、乱暴な口調。
史哉先輩が女遊び激しい人だなんて、わたし知らなかったし、ていうか興味ないし。
……そんなことよりさぁ、由良くんさぁ。
ジッと由良くんを見るわたしに、彼はまた眉を寄せた。
「なんだよ」
「いや、由良くんは何なんだろうなぁって」
「は?」
「危機感がないことを本当に注意してくれているのか」