欲しがりな幼なじみ
「な、なんで!?」
むしろわたしじゃない?
わたしに同情するべきじゃない?
「いやー、結佳は自分のことには鈍感だからなぁ」
「待って意味分かんないんだけど……」
志保、わたしにも分かりやすく説明してよ。
「まぁ、もうちょっとさ。由良くんのことちゃんと考えてあげなよ」
「考えてるよ」
「そうじゃなくてさ。由良くんは、かなり分かりづらいけど……ちゃんとサイン出してくれてるよ」
「だ、だから何の?」
さっきから話が抽象的過ぎるよ。
結局どういうこと?
眉を寄せて困り顔をするわたしに、志保は笑った。
「もー、早く気付いてあげてよ。これ以上はわたしからは言えないから」