欲しがりな幼なじみ


放課後の、この遅い時間。

誰もいない廊下、空き教室。


この人と、わたしの2人だけ。



空き教室に入ったら、一体なにをされるんだろう?
わたしは、どんな目に合うんだろう?


掴まれている腕が痛い。
気持ち悪い。

……怖い。



ドッドッ、と心臓が嫌な音をたてる。

バサリと持っていた日誌が落ちた。


先輩は、わたしを引っ張って教室の中に入ろうとする。



わたしは、ギュッと目をつぶった。





「この手、離してもらってもいいですか」





すぐそばで聞こえた声に、わたしはハッとする。

ここまで走ってきたのか、少し息が切れていて、その顔はわたしが今まで見たこともないぐらいに怒りで満ち溢れていて、

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