欲しがりな幼なじみ


ゆっくりと、わたしは由良くんを見た。



「……怖かった……」



そう呟くとそっと頭を撫でられた。




「……頼むから、もうちょっと自覚持てよ」

「自覚って、なんの」

「人より綺麗な顔だってこと」




ん、と手のひらを差し出される。

それに捕まると、由良くんはグイッと軽々しくわたしを引っ張り上げた。




「俺は、気が気じゃない」

「え?」

「お前、バカだし」




顔を逸らしながらそう言う。

また、わたしのことばかって言う。

それに、
わたしは別に綺麗でも美人でもない。




「……さっきは、わたしのこと大切な奴って、言ってたくせに」




由良くんは、そんなわたしの言葉に言葉を詰まらせた。

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