欲しがりな幼なじみ
呆れたようにため息をつく由良くんに、「……ご、ごめん」と呟くわたし。
ドキ、ドキ
簡単に片手でわたしを支えて、
フワリと石けんの匂いが香って。
いつもよりずっと近い距離に、
由良くんが、いるから。
「っ、や、ほんと、ごめん!」
バッと、慌てて由良くんから離れて少し早歩きをする。
……おかしい、おかしい、おかしい!
この前のことがあってから、由良くんといると変にドキドキしてしまうっ。
あんまり顔を見られたくないし、
前髪が崩れてないか気になってしょうがないし、
由良くんの背中を見るとキュッと胸が苦しくなるしっ、
とにかく!
普通じゃいられない!
「なんなの、これ……」