欲しがりな幼なじみ


眉を寄せて、怪訝そうな顔。


ていうか、だから、ねぇ由良くん。

いきなり近づいてくるのはやめてよ。



私ったら最近変なんだよ。

こんなのなんてことないのに、ドキドキしちゃうんだってば。




「デコ、赤くなってる。ぶつけた?」

「……うん、ボール当たって」

「じゃあなんで保健室いかねぇの。なんで戻ろうとしてんの」

「う」




いや、ごもっともなんだけどさ。


行こうとしたんだけどさ。

でも、由良くんがいたからさ。


女の子と、いたからさぁ……。




「いいから行くぞ」

「あっ、ちょ……」




ぐいっと腕を引っ張って、保健室に連れていこうとする。


そんな由良くんに、私は。

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