欲しがりな幼なじみ

だって、こんな状態のまま由良くんの隣に立つなんて、ムリだもん。

落ち着かないもん。




「そ、それじゃあ、そういうことだから……！」

「待てよ」




逃がさないように、またグッと力を込めて腕を掴む。

そんな由良くんに、私はゴクリと唾を飲みこんだ。


ま、前はあんなに私のこと避けてたくせに……っ！

どうしてこんな時に限って絡んでくる！




「お前、俺と一緒にいると変になんの」

「……そうだよっ。だから近づかないでって」

「なんで」




な、なんでって……。

そんなの決まってるじゃないか。




「い、意識しちゃうから……」




そんなことないって、思っても、

やっぱりどうしても考えてしまうのは由良くんのことばかりで。