欲しがりな幼なじみ
私のことをジッと見つめる由良くん。
それだけで、またしても顔が熱くなる私。
だから、一々反応するな、私のばかっ。
「言っとくけど、お前が俺のこと避けようとしても無駄だから」
「う、あ、近いってば」
ドキドキ、心臓がうるさい。
「もっと意識しろよ、俺のこと」
「な、なんっ、なんで……!」
「報(むく)われたいから」
意味、分かんない。
私は、変になりたくないって言ってんのに。
だから私からは近づかないし、由良くんも近づかないでって話なのに。
"報われたい"って、なにっ。
「変になればいいよ、お前も」
そう言った由良くんの声音は、いつもより少しだけ優しかった。