欲しがりな幼なじみ
□幼馴染は報われたい
『変になればいいよ、お前も』
その言葉に、ハッとまぶたを開ける。
見慣れた天井に、見慣れたカーテン。
……まさか夢にまで出てくるなんて……。
そう思いながら、目元を腕で覆った。
冬の朝は特に冷える。
布団の温もりを惜しみながら、私はゆっくりと起き上がった。
枕元に置いていたスマホで時間を確認する。
6時か……。
いつもより30分も早く目が覚めてしまった。
それもこれも、由良くんのせい。
「あら、もう出るの?」
「うん。行ってきまーす」
30分早く起きたから、その分早く家を出ることにした。
そうしたら由良くんに会うこともないし、帰りの時間もズラせば今日一日顔を合わさずに済む。