欲しがりな幼なじみ
『わ、私はっ、変になりたくないんだよっ』
由良くんの言葉にそう返すのが精一杯で、
その後も何とか腕を振り払って由良くんから逃げた。
あれから由良くんとは顔を合わせていない。
つまりは、私は由良くんのことを避けている。
ローファーを履いて、玄関の扉をそっと開ける。
由良くんはいない……よね?
数十センチの隙間から廊下を確認する。
すると、その瞬間扉が勢いよく開いた。
「わっ!?」
誰かが外から強引に開けたんだ。
まぁ、そんなことする人、思い当たるのは1人しかいないんだけど……。
恐る恐る、視線を上にあげる。
「お前、俺のこと舐めすぎ」
「ゆ、由良くん……」