欲しがりな幼なじみ
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「あらぁ、由良くんの猛攻撃くらってんのね」
「わ、私、学校着くまでに何回か心臓止まりかけた」
今朝の恋人繋ぎは、学校の最寄駅に着いたところであっさりと離れた。
さすがに由良くんも学校の人に見られるのは躊躇するみたい。
……そういうところも、むかつく。
「ねぇ、結佳はなんで由良くんのこと意識してるの?」
教科書やノートを机の中に入れている途中で、志保がそんなことを聞くから。
仕方なく私は手を止めて、志保のことを見た。
前にも言ったけど……
「言っとくけど、好き……とかじゃない。たぶん」
「そう?」
志保は、なぜかクスッと笑った。
その反応にムッとする。
「由良くんは、私に何かあっても助けてくれる。……優しいから」