欲しがりな幼なじみ


***


「あらぁ、由良くんの猛攻撃くらってんのね」

「わ、私、学校着くまでに何回か心臓止まりかけた」




今朝の恋人繋ぎは、学校の最寄駅に着いたところであっさりと離れた。

さすがに由良くんも学校の人に見られるのは躊躇するみたい。


……そういうところも、むかつく。



「ねぇ、結佳はなんで由良くんのこと意識してるの?」



教科書やノートを机の中に入れている途中で、志保がそんなことを聞くから。

仕方なく私は手を止めて、志保のことを見た。


前にも言ったけど……



「言っとくけど、好き……とかじゃない。たぶん」

「そう?」



志保は、なぜかクスッと笑った。

その反応にムッとする。



「由良くんは、私に何かあっても助けてくれる。……優しいから」

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