欲しがりな幼なじみ
だから、先輩と揉めてた時にも助けに来てくれて、
腫れてる額を見て保健室に連れて行こうとしてくれた。
私が由良くんを意識しているのは、
彼の優しさを、そのまま受け取ってしまったからだ。
でも……
保健室でクラスメイトの背中をさすっていた由良くんの姿を思い出す。
……私じゃない他の人が同じ状況にあっても、由良くんはきっと同じように助けてあげたに違いない。
「そう考えたら、一々反応してる自分が恥ずかしくてさ。だから私は"普通"に戻りたいんだよ」
それなのに、由良くんってば面白がって……
『報われたいから』
ふと、あの時の言葉を思い出す。
"報われたい"って、由良くんは言ってた。
今考えても、意味、分かんないよ。