欲しがりな幼なじみ
確かに、委員の仕事は大変だった。
でも、竹内くんがいてくれたから何とかやってこれた。
それと、委員の仕事で忙しくて、由良くんとはあれ以来口をきいていない。
『好きな奴とどうにかなりたいって思うのは、普通だろ』
私の元気がないように見えるのなら、原因はきっとこれだ。
「疲れが溜まっちゃったのかなー。大丈夫だよ」
「ほんと?またボールにぶつからないようにね」
「あはは、私石頭だからへーき」
コートに整列して、軽く挨拶。
ピ、というホッスルの音で試合が始まった。
由良くんに、好きな人がいる。
具体的なことは何も教えてくれなかったけど、会話の流れ的に、好きな人がいるのは本当だ。