【完】俺様彼氏は、甘く噛みつく。
……で。

俺のとなりを肩身せまそうに歩いてる、今宵ちゃん。


階段を降り切った壁に今宵の背中を押し付けて、逃がすまいと片手を壁につけば、今宵の顔は余計に真っ赤だ。


「まず、俺は体育館に来てって言ったけど、男と来いとは言ってない」


「……う、うん……」


どこにも定まることなく泳ぐ目。


「こっち見ろよ」


やっと俺に視点が定まって、上気する頬を見たら、フッと笑みが漏れる。


壁ドン好き?

その顔、すげーそそるわ。


「それと。なんで俺以外の男に膝枕なんか許してんの?」


ねぇ、今宵ちゃん?


「ご、ごめんなさ」「許さないけど」


被せ気味に言った俺の言葉に、今宵の動きが止まる。


にやりと口角を上げた俺をみて、ごくっと唾を飲み込んだ今宵。


その様子なら、だいたい言いたいことわかってそうだね。


そういうときは「……お仕置きだよね?」


耳元で声を落とすと、ビクッと肩が震える。


恥じらいだらけのその顔。


可愛いとかえろいとかそういう次元じゃなくて、まじでハマる。


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