【完】STRAY CAT
「恭」
「ん?」
「だいすき……!」
好きって気持ちがたくさん溢れてきて、思わず抱きつく。
あぶね、なんて言いつつ受け止めてくれた恭が、さらに強く抱きしめ返してくれた。
そのまま見つめ合って、またキスを繰り返す。
ついさっき、不純異性交遊はだめだって言われたところなのに。
「……俺のが、好きだろーけどな」
だいすきな人にこんなふうに言われたら、誰だって我慢できなくなる。
どんどん、恭のことだけ、好きになる。
「ん……、すき、」
「知ってる」
「ずっと一緒にいようね?」
「……いような」
中学生の恋なんて、どうせ実りはしないと言われてしまうかもしれない。
それでも本当に、ずっと一緒にいられると思ってた。
ずっと一緒にいたいって、本気で思ってた。
恭が「いような」って言ってくれたから、不安なんて何一つなかったの。
しあわせだって、すごくすごく思ってた。
……恭が何を考えていたのかなんて、わたしにはわかるはずもなかったのに。