【完】STRAY CAT
「あ? なんだお前」
「なんだ、じゃない。
わたしは何してるの、って聞いたのよ」
「はっ、んなの見てわかんだろうが」
ええ、そうね。
見て分かるのに、あえて聞いてるのよ。
「彼等が何かしたの?」
「チッ、めんどくせえな……コイツらは"藍華"っつう暴走族のメンバーなんだよ。
んで、俺らはソレに敵対するチームで、偶然見かけたからコッチから遊んでやっただけ。巻き込まれたくなかったら引っ込んでな」
藍華、ねえ。
しかもわざわざ喧嘩の内容まで教えてくれて、巻き込まれたくなかったらって忠告までしてくれるんだから、随分と親切なものだ。
……ま、無条件に襲ったっていうのがなかったら、って話だけど。
「引っ込むべきなのは、
わたしじゃなくてあなたたちでしょう?」
「ああ?」
「ああ、ごめんね?
わたし学校で怒られて、髪色ピンクから黒に変えちゃったんだった」
にこり。
笑って言った瞬間、彼等の顔が引きつった。
「ま、さか、」
「いまからここに、恭呼ぼうか?」