【完】STRAY CAT
改めて口に出すと、なんだか気恥ずかしい。
「最近また再会して、」と苦し紛れに付け加えたのだが、キラキラした目で見られてしまった。
「復縁ラブなの? また好きになっちゃったの?」
「嫌いで別れたわけじゃないし……」
「ずーっと好きだったの?」
「っ……」
「鞠乙女っ」
恥ずかしいんですけど!
きっと悪気なく言ってくれてるんだろうとは思うけれど、普段誰ともこんな話をしないせいでとても恥ずかしい。
思わず黙りこくっているというのに、「そっかそっか~」なんて果帆はニコニコしてる。
……いまさらだけど、どうしてこの子はわたしと友達でいてくれてるんだろうか。
「まあ、それなら仕方ないよね。
女の子は、好きなものに正直でいなくちゃ」
「果歩……」
「付き合ったらいちばんに教えてね」
やくそくだよ、と笑ってくれる。
純粋に応援してくれているその姿を見たら、この子とずっと仲良くいたいなと思った。
はじまりが、どんな理由だったとしても。
わたしにとっては、大事な友達で。
うん、と返せば、果歩は「もっと話聞きたい!」とわたしにいろいろ尋ねてくる。
そんな何気ない時間でさえ、とても楽しかった。