【完】STRAY CAT



いつもいつも、昼休みにだけ会いに来るわたし。

早々に昼食を終えて、そのあとは話題があれば恭に話すし、なければただ同じ空間にいるだけ。いつも会話は成立しなくて、一方通行だけど。



だから恭から話しかけられたことにおどろいて顔を上げたら、どこかバツの悪そうな顔をする彼。

……なにその顔。ちょっとかわいい。



「なんで俺にそんなに構うんだよ」



「言ってるでしょ?

好きだからこうやって会いに来てるって」



「……お前、

間違ってもそれほかのヤツに言うなよ」



「好きって? もちろん恭にしか言わないわよ。

わたしそんな浮気性じゃないし、こう見えて一途なんですけど」



「そうじゃねーよ馬鹿」




呆れたように言って、ごろんと寝転ぶ恭。

キラキラキラキラ、金髪がまばゆくて綺麗だ。



「……お前がそんなこと言い出したら、

教師もまわりもここに来るなって言うだろ」



「……なに、わたしがいないと寂しい?」



来れなくなったら困るってこと?って。

茶化して聞いたつもりだった。冗談だった。



「……そうだって言ったら?」



なのに、かえってきた答えは予想と違って。

不覚にもドキッと心臓が反応して、顔が熱を持つ。



そ、"そうだ"って……さみしいの……?

わたしが来なくなったら、さみしい……?



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