【完】STRAY CAT



「なら……堂々と浮気してんじゃねーよ。

変に気を持たせずにはっきり断ってこい」



「え……」



「お前、好きでもないヤツに好かれても、

絶対相手のこと好きになれねータイプだろーが」



はっきり言い切られて、どくんと心臓が高鳴る。

……ああ、もう。気を持たせてるのは、どっち?



「だいすきだよ恭。

……浮気なんてしてないよ、わたし」



「………」



「……やきもちやいた?」




じっと恭の瞳を見つめたら、頬に触れたままの手がすこしだけ動く。

まるで撫でるようなそれがくすぐったくてすこしだけ肩をすくめるわたしに、恭は何か言いかけて。



「……俺も大概影響されてんな」



「ん? ん……!?」



ぼそっと声を落としたかと思うと。

顔が近づいて……くちびるが、触れた。



「……よそ見してんな馬鹿」



「っ……ふふ、」



「なに笑ってんだよ」



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