【完】STRAY CAT
「……そうなんすか」
「もう何年も前の話だよ」
「つーか、今更っすけどどういう繋がり?」
俺とみちるさんは、藍華を通して知り合った。
2個ほど上の代で、それほどめちゃくちゃ関わりがあるわけではねーけど、俺が長い期間藍華に顔を出してるのもあって、ずっと親しくしてくれてる。
んで、みちるさんはこれでも一応元総長。
あすみとは全然違うタイプだが、仲間のことを大事にするところも、意外と周りをよく見てるところも、総長として向いていたと思う。
「……俺も藍華のOBだよ」
ただ、これは予想外だ。
「……は? 黒田さんも?」
「そ。この人も藍華の元総長。
……まあ歳離れてっから、結構上の代の」
「みちると直接的な関わりはねえけど。
昔はOB集めた集会もあったからな。その辺で顔合わせて、未だにこいつにずっと絡まれてる」
「よく言うよ。俺のこと好きじゃん」
「誤解招くからその言い方やめろ」
時折節々に滲んでるその威圧感は、元総長のソレか。
通りで、何があっても基本動じねーわけだ。
「つか、恭もそろそろ気づいてると思ってたわ。
"橘花の社長が誕生日パーティで重大発表の予告をしてる"とか?まあ冷静に考えて、一般人の俺がそんな情報知ってるわけなくね?」