【完】STRAY CAT
すこしかすれた寝起きの声で、わたしを呼ぶ恭。
なに?って返事したら、恭はまぶたを持ち上げる。
「……、今日も来ねーのかと思ってた」
「昨日ね、教室でご飯食べたの。
でもひとりだったから、やっぱりさみしくなっちゃって、ここに帰ってきちゃった……」
じっと、恭を見つめる。
そうすれば彼は暖を取るようにわたしの身体をぎゅっと抱きしめてきて、ちゅっとキスを落とした。
「……あんなこと言ったから、
マジでもう来ねーのかとおもった」
「え……」
会いにこなくてもいいって言ったのは、恭なのに。
なんでそんな、不安そうな顔してるの……?
「……くるよ。
恭に会えないの、さみしいんだもん」
「………」
「昨日はそう言われたのがショックで……
来なかったけど、やっぱり一緒に、」
いたいの、と。
言いかけた言葉を遮るみたいに、恭がキスしてくる。
いつもみたいな冷静なキスじゃなくて、何かをぶつけるみたいな、強引で荒々しいキスだった。
熱くて甘くて、とろけそうになる。
「……好きだ」
囁かれた言葉に、どうしようもなくドキドキして。
目が合うたびにきゅんとして、恭を好きになる。