【完】STRAY CAT
「……男子校の写真みたい」
「あー……このへんのヤツら学ランだしな。
暴走族っつっても、見た目じゃわかんねーやつも多いだろ」
「うん。この人黒髪だもんね。
……っていうかこの人かっこいいね」
画像の中には比較的カラーの髪の子が多くって。
その中では逆に目立つ黒髪の彼を指させば、「それがあすみ」って教えてくれる。
「代が変わったら、
次トップに立つんじゃねーかって言われてるヤツ」
「へえ……」
綺麗な顔だけど、どちらかといえば大人しそう人なのに。
……でも威圧感というか、カリスマ性?そういう雰囲気を持っているっていうのは、写真からでもわかる。
「そういやこないだ、
藍華のヤツにお前のこと見かけたって言われたな」
「……え、わたしの顔バレてるの?」
「いや。お前の顔は見てないって。
『お前女連れて歩いてただろ?』って言われたんだよ。ピンクの髪だって藍華内で言いふらされた」
まあたしかに、こんな髪色で歩いてたら目立つ。
偶然見た先、隣にいるのが知り合いだったとしたら、すぐに気づくだろう。
「お前、もし俺のことでなんか巻き込まれたら絶対言えよ?
最近、色々藍華のことで外出て顔バレてるんだよ。お前が俺の女だってすぐ特定されるかもしれねーし」
「……ふふっ」
「なあ、真剣な話してんだけど」