桜が咲いた今日、人生で二度目の嬉し泣きを
抱えた思いと傷ついた夏休み
地獄の講演会から日は流れ、夏休みが近づいていきました。

講演会のことは、思い出すだけでお腹が痛くなったり、吐き気が込み上げてくるのでもう考えないように過ごしています。

就職する人は人生最後の夏休みですが、遊んでばかりはいられません。

就職試験は九月の中頃から始まります。それに向けて、企業見学や履歴書を書いたり、面接練習をしなければなりません。そのため、就職希望の人は何日か学校へ来ることになります。

夏休みが始まってから、私は試験のことをなるべく考えないようにと小説を書いて誤魔化していました。しかし、一日のどこかで就職試験のことを考えては不安に駆られました。

この不安な思いを誰かに吐き出すことができれば、どれほど楽になれたでしょうか。しかし、迷惑がかかると思い、私は何もないように笑っていました。

しかしどれだけ忘れようとしても、いつかは就職試験を受けなければなりません。その現実が頭にちらつくたびに、私は気持ちが不安定になって幼い子供のように泣きました。
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