桜が咲いた今日、人生で二度目の嬉し泣きを
「おじいちゃんはね、こんな優しい孫がいて幸せ者だ。だから泣かなくていいよ」

そう優しく祖父は言ってくれましたが、私は次の日、履歴書を書きに学校へ行った際に泣いてしまいました。

祖父はいつか、私のことが見えなくなる……。そう思うと辛くて、ショックでした。

しかし、ずっと泣いている暇などありません。私は気がすむまで泣き、保健室にいた先生に話を聞いてもらった後、履歴書を書くために教室へ向かいました。



一日かけて履歴書を書き、就職希望の生徒は夏休みのうちに三日だけ面接練習をすることになっています。私は面接と聞いて、ずっと緊張していました。

就職試験は、自分の一生が決まってしまう大切な試験です。自分が一生お世話になる場所かもしれないのです。

「緊張するな〜……」

就職の人とそんな話をよくしていました。

面接練習初日。練習を担当してくれるのは担任の先生のはずだったのですが、なぜか教室に入って来たのは福祉の先生でした。
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