COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―

『へぇー、花緒も罪な女だねぇ』

そう言ってにやつく彼女を見ると、その計算は見事に裏切られそうだ。

『にしても、

お前、意外と大胆だな』

勇太君が感心したように言う。


「ちょっとどうかと思いますよねぇ。

立場的にも」

そう言って調子を合わせたが、
中島さんがすぐさま『いや、』と否定の言葉を置いた。

『まぁ、大丈夫よ。

花緒にとってもまんざらでもない展開じゃない?』

中島さんはそう言うと先程購入した缶コーヒーに口をつけた。

それだけでも充分、有益な情報である。

収穫はあった。
< 108 / 449 >

この作品をシェア

pagetop