COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―
『…別になんもないけどねー』
彼女は誤魔化すように指を目の前で組んで伸びをする。
『また仕事でドン詰まったんだろ。
お前なぁ、もっとうまくやれよ』
中島さんが首だけを動かして勇太君を見る。
『昔から言ってんだろ。周りに頼れよ。
お前仕事はできるけど、すぐタスク増やしまくって一人で潰れるだろ』
相変わらずだなぁ、勇太君も。
鈍感というか何というか。
まぁここはひとまず二人の関係性は置いといて。
社会人にも関わらず熱くて、不器用で。
二人のやり取りを見てると、青春だなぁと感じることがある。
僕もそこに入れたら、と何度も羨ましくも思った。
けれど僕は確かにここにいて、僕には僕の役割があると知った。