COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―
あの日のことは夢だったんだろうか。
そんなはずはないのに、いつもと全く変わらない彼の姿を見ていると
本当にそう思えてくるから不思議だ。
でも。
…なかったことになんてしたくない。
「この間の…エレベーターで言ってたこと…」
言いかけて言葉を止める。
最近の私はこんなことばっかり。
まるで自制が全く失われてしまったようだ。
少しの間。
目伏せて何かを考えると、彼は口を開いた。