COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―
「でも、上司として間違っていたことは事実です」
今一度告げられる、“あの日”を否定する言葉。
視線を落とすと、あの日の彼の言葉がよみがえる。
男として、とあなたは言った。
それが本当なら、
「あの時、もっと触れてほしいと思ったんです…、私は…」
意を決して目の前の彼に告げる。
お腹に石でも入っているかのような圧迫感。
言葉が胸から喉に向かって押しあがってくるが、吐く息と共に消える。
照明の落とされた店内が、それほどまでに緊張を増長させた。
『…それ天然で言ってるんですか?』
再び顔を上げると、あの日と同じ
真剣な瞳が私を捕らえた。