COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―
『僕のことを安全な人だなんて思わない方がいい。
僕だって男です。
それに…浄心さんはもっと自覚したほうがいい』
「なにを」
聞き返す私の言葉を彼が遮る。
『…わからないなら、いいです』
こんな風に二人きりで居ても、私の想いは彼には伝わらない。
どんなに踏み込もうと勇気を出しても、うまく煙に巻かれて突き放される。
その時、タイミングがいいのか悪いのか
オーダーした料理が届けられた。
頭の中に渦巻く彼に対する焦燥感のせいなのか
料理の味は、よくわからなかった。