COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―
全く想像できないその先に手放しで飛び込んでいけるほど、私のメンタルは強くない。
『…お、理央!!!』
昭香先輩の声にはっと顔を上げると、皆が不思議そうな顔でこちらを見ている。
「あ…っと、
どうしました!?」
咄嗟に取り繕ったものの、周りの状況が全然把握できていない。
『何言ってんの!帰るよー?
早く準備する!』
よく見れば皆それぞれ帰り支度を済ませていた。
「すみません、今すぐ!!!」
デスクから立ち上がり、帰り支度をする。
急いで支度を済ませると、いつも通り扉に一番近い私から外に出た。