COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―
その時、鞄の中から新着メッセージを知らせる音が鳴る。
ん?誰だろう?
足を止め、手慣れた手つきでメッセージを開くとチャット画面が表示される。
《理央?ちゃんと家ついた?》
メッセージは昭香先輩からだった。
もうすぐ着きます、と、送信。
ふと昭香先輩に聞きたいことが浮かぶ。少し考えてからメッセージを打つ。
《有松さんっていい人ですよね。》
すぐに昭香先輩がそれを開封した通知が表示された。
昭香先輩は有松さんと同期。
一見仲が良いようには見えないけれど、
本当に嫌いだったら口をきくこともしないんだろう。
昭香先輩の人を見る目は確かだ。
スマートフォンを鞄にしまおうとすると、再度メッセージの通知音が鳴った。
《うん、あいつはいい奴だよ》
やっぱりそうだよね。
昭香先輩がそう言うなら、間違いない。
家についたあとも昭香先輩とメッセージのやりとりは続いた。
週末に二人で水族館へ行くことを報告すると、すぐに返信が来た。
《勇太がイルカショー見てる姿とか、全然想像できないんだけど!》
そのメッセージが絶妙に面白くて、確かに、と納得した。
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