COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―
『わは!やっぱり!
どうやって食べたんですか?』
「全部茹でたよ」
静かな店内に春田くんが笑い声が弾けた。
そんなに笑ってもらえたら、私の特訓も無駄じゃなかったかも。
彼の笑顔を見ていたら、自然とそう思えた。
『じゃあ茹でる工程も大丈夫ですかね?
このあと…茹でていくので…っ』
まだ笑いは収まらないようだ。
はぁ、と息を吐くとびしっと仕切りなおして彼が言った。
『よし、じゃあ次はホワイトソースの作り方です!
もちろん既製品でも代用できますけど、今回は手作りしましょう!』
鍋にバターを入れて火をかける。
『最後まで弱火をキープするのがコツです』
そう言うと彼は鍋底を覗き込むように火加減を見た。
私もそれに倣うように覗き込む。
「弱火…このくらいか…」
そうつぶやくと、彼が勢いよく顔を上げた。
ぶつかる寸前で顔を上げると、目が合う。