COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―
「確かにそれはちょっと無鉄砲かもしれないけど…
春田くんはたくさんの人を幸せにしてるって知ってほしいな、ご両親にも。
料理だけじゃなくて…
春田くんの作る空間はすごく優しくて居心地がいいから」
彼は私の顔をじっと見たまま、静止した。
「春田くん?」
何かおかしいことでも言ったのかも、と不安に思い名前を呼ぶと
彼は目を伏せて言った。
『本郷さんに言われるから…
こんなにも嬉しいんだろうな』
小さな声で呟かれたそれは、確かに私の耳に届いた。
『よし!ホワイトソースもできたし、
来週には全部の工程できちゃいそうですね!』
そう言ってスツールから立ち上がると、いつもの明るい笑顔でニコっと笑った。