COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―
ぞろぞろとエレベーターホールへ出る。
『あーーー!
こんなクソイヤミチビと駅まで一緒なんて最悪だから私はお先にー!
みんな、また明日ー!』
昭香先輩は私たちに笑いかけると、
ピンヒールとカツカツと鳴らしながら早足で入退場ゲートを抜けた。
残ったメンバーもそれぞれ入退場ゲートを抜けていく。
「…あ、理央の家、城南線だっけ。少し遠いけど大丈夫?」
理央を振り返った瞬間、理央が腕に飛びついてきた。
『優香先輩!!シーッ!!!』
口の前に指をつけて、ナイショのポーズをしている。
『城南線の、どこだ?』
低い声が後ろから聞こえた。
『あ…あの…だいじょうぶです…』
理央が恐る恐る振り返ると、悪魔が鋭い目でこちらを見下している。