COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―
そうこうしているうちに週末は迫ってきていた。
《明日、会えませんか?》
昨日の夜やっとの思いで送ったメッセージ。
返事がきたのは日が変わる少し前。
《本屋に行きますけど、一緒に行きますか?》
その後は、
何を着ていこうか、どんな髪型をしようか。
そんなことを延々と考えていたせいで、少し寝不足だ。
「こんな感じで、ちゃんと続くのかなぁ…」
そう小さな声で呟いて、視線を人混みから本屋へ移す。
職場恋愛というものに対してほとんど無知なので、この恋愛が正常なのかどうなのかということすら測ることが難しかった。
ふと、ホワイトの背景にブルーとイエローのぼんやりとした線が交わるポスターが目に入る。
煽り文句を見るからに恋愛物のようだ。
昔は、恋愛ものも沢山読んでいた。
だがここ数年はもっぱらミステリーブームもあり、手に取る本はその類のものばかりになってしまっていた。