COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―

今日一日だってこうしていつも私の一歩先にいて
私が喜ぶように、楽しめるようにさりげなくリードしてくれる。

そういう彼の姿を見ていると、本当に彼に好かれているのだという実感も徐々に強くなっていく。

とは言ってもやっぱり消えない疑問。

どうして私なんだろう?

昭香先輩とのバトルを間近で見ていたことはあっても
挨拶以外にまともに口を聞いたのは、パン屋に誘われたあの日が初めて。

そんなことを考えていると、隣を歩く彼が口を開いた。


「そういえば、

イルカのメスは求愛行動でオスに体当たりするらしい」


…また不思議な事言い始めたこの人!!!

やっと普通に話せてると思ってたのに!

『へ、へぇー…そうなんですね』

相変わらずエッジの効いた不思議発言に、困惑するあまり返事がぎこちなくなる。


「引くなよ」

そう言った彼の表情は変わらない。
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