COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―
BLACK COFFEE
*BLACK COFFEE 《優香》
『優香先輩っ!
おはようございますっ!』
理央はそう挨拶すると手にしているカップをひとつ、こちらへ寄越す。
「いつもありがと」
そう言ってお金を手渡すと、彼女はこちらをまじまじと見つめた。
『なんか今日…めっちゃ可愛いんですけど!
なんかイメチェンですかー?』
先週末に購入したばかりのマスタード色のワンピース。
服を買うこと自体とても久しぶりのことだったので、数点まとめて購入したうちの一点だ。
少し思い切った値段だったが、生地も縫製もしっかりとしており、
デザインも長く使えるシンプルなのものだ。
含みのある聞き方に、不思議に思いながら何故かと聞き返すと、
『今までとタイプ違うから!』
そう言って彼女はニヤリと笑った。