COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―
「うん、イメチェン…かな」
『なんかその感じ…、
もしかして、彼氏でもできました!?』
見ていないようで、理央はこういった小さな変化に敏感だ。
理央の場合は女の勘というより、野生の勘、という感じだけれど。
「そんなことないから。
それより理央はどうなの?有松さんと」
そう聞き返すと、理央はいつかのように動きを止めた。
前に有松さんとのことを尋ねた時、理央は何かを言いかけていた。
聞くタイミングが掴めずにいたが、実は少し気になっていた。
社内恋愛は、きっと普通の恋愛の何倍も難しいんだろう。
理央と有松さんには、上下関係こそないものの一応先輩後輩ではあるし。
「…理央が幸せならいいと思うんだけど」
フリーズした理央の顔を覗き込むと、長いまつげの奥の綺麗な目と視線が合った。