COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―
咄嗟に彼の服の腰部分の掴んで引き止める。
「あの、」
振り返った彼は目を丸くしている。
「何を着ているかは、関係ないし…」
必死に言葉を絞り出す。
とは言いつつも本当は、
このワンピースを着た私を、目の前の彼はどう思うのだろうと今朝から何度も考えた。
「…パーカー、
可愛いとおもったんだけど…」
ただ彼のいつもの笑顔が見たい、その一心で言葉を必死に紡ぐ。
リアクションが待ちきれずに顔を上げると、目が合う。
彼は驚いた表情をしたが、一拍置いて吹き出した。
『ふ、
いや、可愛いのは本郷さんでしょ!』
そんな風に彼が笑うから、
私は恥ずかしくてたまらなくなった。