COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―
オフィスの扉を開けると、すでに皆は昼食をとっていた。
「ただいま戻りました」
いつもならば誰かが返事をするのに、今日はそれがない。
皆の視線は私に注がれたまま、シンと静まり返った。
『優香せんぱぁぁぁぁい!!!』
理央が勢い良く立ち上がると、靴も履かずにこちらへ突進してくる。
『ちょっとどういうことなんですかぁー?
は・る・た・く・ん!!』
そのまま私の腕に飛びつくと、私を問いただすように迫った。
『ここ数日なんかソワソワしてると思ったら、今日になって
”あのー、本郷さんは…?”
だもんねぇー?』
部屋の隅からからかうような口調で昭香先輩が言う。
『聞いてないですよぉぉぉー!!!』
理央はしがみついた腕を引っ張るように揺らした。