COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―
CAFE AU LAIT
*CAFE AU LAIT 《理央》
『日比野さん、今日呑みに行かない!?』
「あー…、えっと今日はごめん…」
窓の外に視線をやると、私が置かれているこの至極面倒くさい状況に反して
気持ちよく晴れ渡った青空が広がっている。
『今日もダメかぁ…明日は!?』
目の前で食い下がるこの男。
営業部の小本君。
休憩室でたまたま営業部の集団とかち合った時に、少し口を聞いてしまったのが運の尽き。
それから私を見つけるとこうして誘ってくるようになった。
何度も何度も断っているのに。
ここまで断られたら普通気付くもんなんだけどな…。
時計を見ると、もうすでに休憩時間は残り15分になっていた。
そろそろオフィスに帰らないと。
会話を切り上げようと顔を上げると、目が合う。
『じゃあ…、連絡先!
連絡先教えて?』
彼の不屈の精神に思わず眩暈がする。
その時、背後から声がした。