COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―


『ねぇ!あの人、今めちゃくちゃ後輩っぽい子にキレてる綺麗目の女の人』

『看護師さん?わぁ…女社会って感じ』


『あの人はねー、一見クールビューティーなのに実は…

部屋が真っピンク!!部屋着も全部ピンク!』


『…は?』

連れの女性が呆気に取られたような声を出す。

けれどそういう俺も、まさに今それと同じ反応をしていた。

『実は超乙女で白馬の王子様を待ってたりするの!

めっちゃ可愛くないですか!?』


何を言ってるんだ、コイツは。

想像の斜め上どころか規格外の人間観察に、眩暈がしそうになる。


『次はあの人、今裏口の前通り過ぎるチャラ男!

あの人はチャラそうに見えて実は重度の猫オタクなの!女遊びよりも猫!猫ラブなの!

でももうすぐ彼の前ににゃんこ系女子が現れて二人は恋に落ちるの!』

お前は占い師か。

ここまでくるともはや人間観察でも何でもない。
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