COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―

『私、そんなにイチゴ好きじゃないんですよね!』

その答えに皆の動きが静止する。


『え?』

なんで?とでも言いたげに理央ちゃんが首を傾げる。
けれどそんなことお構いなしといった様子で彼女は更に続けた。

『で、優香先輩は…先に食べる派!』

『私もそんなにイチゴ好きじゃないから』


『あぁ!外した!!』

誰かが理央ちゃんにツッコまないといけないような雰囲気が立ち込める。

きっと優香ちゃんは真っ先にそれを放棄したのだろう。

『そうじゃなくて!

要するに好物は先に食べるか、後に残しておくかってことでしょ?』

昭香さんは半ば呆れ顔でツッコむと、フォークに刺したイチゴを口に運んだ。


『んで、基くんは?』

『え、僕ですか?そうですね…』

室長が視線を彷徨わせると、バチっと目が合う。

こんな瞬間さえもドキドキしてしまう。
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