COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―

『はい!春田です!』

笑って垂れた目があまりにも優し気で、本当に自分と対照的だな。
と今日の昼に抱いた感情とデジャヴした。

『えっとー…お名前は…』

本郷(ほんごう)です。
あの…テイクアウトで」

『はい!本郷さん、おかずは何種にします?』

ニッコリとまた目が垂れた。

「4種で。ナスの煮物と、イタリアンオムレツとチキンソテーと、かぼちゃと生クリームのサラダ。ご飯は十五穀米で」

優しく低い声の相槌。


自分もこんなにさわやかでキラキラした人に生まれていたら
何か変わっていただろうか?

オーダー用紙に目を落とす彼の長いまつげを見つめた。

長い指がカタカタと小気味よい音を立てて電卓を叩く。

『えっと合計で』
顔を上げた彼と目が合う。

『わはっ、びっくりした。本郷さんに見つめられるとドキっとしますね!』

彼はまたもやニコッと歯を出して笑った。
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