COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―
私は身を乗り出すように、彼の腕を掴んだ。
「こっちを向いて」
その私の行動に、彼は弾かれたようにこちらを見た。
「……私が好きなのは室長だけです。
それも、わかってるでしょう?」
目頭がかぁっと熱くなる。
けれどそれをぐっと堪えて、彼から目を逸らさずに返事を待つ。
彼が動くのと同時に視界が暗くなる。
気付くと、私は彼に抱きしめられていた。
彼の香りに包まれると、緊張で強張った体から力が抜けていく。
「伏屋室長…、」
『わかってます。
…全部、僕が悪い』
そう言うと、彼は私をより一層強く抱き締めた。
『でも、
他の男に触らせたくない』
その瞬間、彼の身体に押されるようにソファに倒された。