COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―
「…どこ行くの?」
『ああ、天気もいいので久しぶりにバルコニーで休憩しようと思いまして』
なるほど。
それもいいかも。
「私も一緒にいい?」
『もちろんです』
私はすぐさま方向転換をして、そう言って微笑んだ彼の背中を追った。
肩を並べて歩き始めると、彼の横顔を盗み見た。
バルコニーでの休憩ももちろん魅力的。
けれどそれよりも、あの一件があってから
その後の二人の関係が実はずっと気になっていた。
大切といえば大切な、野次馬精神と言ってしまえばそうなのだけれど。
「…最近どーなの?」
彼が驚いた顔でこちらを見た。
『ん…?何ですか?唐突に』
どうとも取れる私の問いかけに彼の警戒心がピリリと高まっていくのを感じる。
これはどうもアプローチの仕方を間違えてしてしまったかもしれない。